コンビニエンスストア, サービス業, スーパーマーケット, レストラン, 小売
有意義で良い変革を起こすには、まず課題を理解する必要があります。これはCXプログラムが得意とする分野で、特に現在のツールはブランドがカスタマー・パーセプションを活用する際に役立っています。次の深堀分析には何が求められるでしょうか。リソースはどこに投資すべきでしょうか。何に注目すべきでしょうか。そしてブランド全体のパフォーマンスに最も影響を与えるものは何でしょうか。
CXプログラムの全ての可能性を知るには、このプログラムが単にパフォーマンスをモニタリングするためのデバイスや問題を診断するたのツールではないということを理解する必要があります。真に効果的なプログラムは、結果をもたらす変革を行っていることを実感できることから、データドリブンな成長戦略の構築に役立ちます。それでは、どのようなレポートが役に立つでしょうか。以下がその一例になります。
部門レベルの行動:シェアを拡大するためのチャンスを見つける
部門レベルの行動レポートは、最も顧客の購入が多いのはどの部門か、顧客は購入体験をどのように評価しているのかをまとめています。客足が鈍く、スコアが低い部門があれば、迅速に調査し、理由を探る必要があります。さもなければ、顧客はあなたのブランドでいくつかのアイテムを購入した後、競合ブランドで他のアイテムを購入してしまう恐れがあります。
自分たちのシェアを拡大し、顧客のロイヤルティを向上させるためには、ブランドはすべての部門においてお客様のニーズに応える必要があります。部門レベルで売り上げとCXスコアの向上に取り組むことで、ロイヤルカスタマーの離脱を防ぐことができます。
プロモーションと期間限定商品(LTO): 自信を持ってイノベーションを推進する
たとえロイヤルカスタマーであっても、ブランドに対しては常に革新性を求めています。ただし、新しさが逆に競合ブランドにチャンスを与えてしまう可能性もあります。新しい商品ラインや新メニューを導入するときは、顧客の反応をリアルタイムで把握できるように、アンケートに質問項目を追加しましょう。調査結果をイノベーション戦略に反映させることで、以下のことが可能となります。
新店舗の分析:カスタマーインサイトから拡張戦略を強化する
適切な質問をして適切な行動をとることで、顧客はあなたのブランドにより多く訪問し、あなたのブランドを家族や知人に紹介することが期待されます。また、新規店舗オープンの際にも活用できます。大変興味深いことに、新たな市場への参入は、必ずしもこれまでのようにうまくいくわけではありません。次の図は、ブランドのキードライバーが新規店舗でどう変わるのかを説明しています。
店舗を営業年数で分けると、どの項目が最も重要であるか、次の新店オープンの際にどこにリソースを割り当てたらよいのかがわかります。また店舗体験の様々な側面に基づき項目をグループ化することで、以下のような問題の原因が特定しやすくなります。
オムニチャネルの分析:すべてのタッチポイントで顧客の期待に応える
あなたのブランドは、街角の店舗や顧客のスマートフォンにインストールされたアプリなど、あらゆる方面で競争にさらされています。顧客と全方位でつながるためには、変わり続ける顧客の要望に応える必要があり、すべてのタッチポイントを計測しなければなりません。次の図ではその例を表しています。
これは、どのようにしてBOPISチャネルが顧客の気持ちをつかんでいるのかがわかる一例です。「商品受け取りの待ち時間」は総合満足度を引き上げるキードライバーであり、このブランドは、待ち時間を削減するための効率的な実行計画やスタッフの教育、明確な目標の設定を必要としています。
フィードバックプログラムだけで満足せず、カスタマーインサイトプログラムを導入する
フィードバックプログラムは、基本的にはカスタマーレビューがリスト化されているものです。その中で一部興味を引く情報もあるかもしれませんが、大部分は、単純に集められ保存されているデータにすぎません。一方カスタマーインサイトプログラムでは、実際に顧客がブランド体験をどのように感じているかがレポートにまとめられ、データが改善現場で役立つものとして伝えられます。
データドリブンで顧客中心戦略の構築についてさらに詳しく学ぶには、ベスト・プラクティス・ガイド「カスタマー・エクスペリエンスプログラムの導入を成功に導くための7つの鍵」をご参照ください。
玉川篤史 | アジアパシフィック・マネージングディレクター