サービス・プロフィット・チェーンを活用し、EX*とCX*を事業業績につなげる方法

サービス・プロフィット・チェーンを活用し、EX*とCX*を事業業績につなげる方法

コンビニエンスストア, サービス業, スーパーマーケット, レストラン, 小売

なぜ従業員の士気に関する取り組みを組織の優先事項とすべきなのでしょうか?士気の高い従業員は会社への忠誠心が高いため、満足度の高い、ロイヤル・カスタマー(優良顧客)を生み出すのに貢献します。そして、こうした顧客は、企業の売上げと利益の向上に直結します。この一連の流れは「サービス・プロフィット・チェーン」と呼ばれており、このビジネス理論を土台にSMGは設立されました。

当ブログでは、「サービス・プロフィット・チェーン」という理論がどのように誕生したのか、それがEX(従業員体験)及びCX(顧客体験)の双方にどのような影響を与えるか、そしてそのコンセプトをエクスペリエンス・マネジメント・プログラムに組み込むためには組織として何ができるかについてお話しします。

「サービス・プロフィット・チェーン」とは

サービス・プロフィット・チェーンとは、従業員の士気、顧客満足度、および財務業績の関連性についてハーバード・ビジネス・スクールの教授陣が行った5年に及ぶ研究をもとに生み出された理論です。その成果は1994年に「サービス・プロフィット・チェーンの実践法」として発表され、これにより、忠誠心の高い従業員とロイヤル・カスタマー(優良顧客)を増やすことが、持続的で収益性の高い売上成長を促進する確かな方法であることを明らかにしました。

1991年、現CEOのAndy Frommとその父Bill Fromm氏が、ハーバード・ビジネス・スクールの教授であったLen Schlesinger氏と共にSMGを設立しました。因みに、Schlesinger氏はハーバード大学在籍時、サービス・プロフィット・チェーンの理論を確立した教授陣の一人です。

今日SMGは会社設立の土台となった当理論を活用し、人々の生活がより充実したものとなるようなエクスペリエンス(経験)の向上に努めています。ソフトウェアとコンサルティングサービスを統合した我々独自のアプローチ(SwaS = Software with a Service)を通じ、企業・ブランドが顧客の満足度、従業員の士気ついての理解を深め、そこから得たインサイトを業績の向上に具体的に結び付けられるようお手伝いをしています。

EXがCXに及ぼす影響

サービス・プロフィット・チェーンにおいては、組織が従業員としっかりと向き合うことによって仕事に対する従業員の満足度が向上し、組織に対するロイヤルティを高め、結果的により良いCXを提供することが分かっています。やる気に満ちたスタッフが卓越したサービスを提供すれば、顧客は喜び、ブランドに対する親近感が増します。

従業員と顧客の関係がどのようにビジネスに影響を与えるか

これはサービス・プロフィット・チェーンの「公式」の後半部分に相当します。士気の高いスタッフが提供するサービスに満足を感じた顧客のブランド・ロイヤルティが高まれば(例えば、より頻繁に多くの買い物をしたり、ブランドに好意的な口コミをしたりするようになるなど)、企業の持続的な成長が実現します。こうして企業は従業員と顧客の満足度向上にリソースを集中させることができます。

エクスペリエンス・マネジメント・プログラムに「サービス・プロフィット・チェーン」を組み込む際に留意すべきこと

既にCXプログラムを導入している場合、EXの向上を優先することによって、CXおよび財務業績に与えるインパクトを最大化させることをお薦めします。

多くの企業同様にCXプログラムをまだ導入していない場合、まずはそこから始めましょう。顧客からのフィードバックを絶えず収集することによって、顧客重視の企業文化を徐々に築くことができます。やがて全社的に業務改善が進みROIが実証できるという、サービス・プロフィット・チェーンの効果が現れてきます。

従業員重視で業績向上を図る

従業員の採用から退職に至る会社生活のあらゆる場面で、常に彼らの声を聞きその結果を業務に反映させていくEX(エンプロイー・エクスペリエンス、従業員経験): 組織での経験、満足度、スキル、健康状態など、従業員が組織内で行われる経営活動や人事施策などを通して醸成する経験価値 — こんな包括的EXプログラムの導入が望まれます。これにより、従業員を惹きつけ、育成し、維持するための最善策の見極めが可能となります。

EXの向上を優先する組織では、従業員の士気が高まるだけでなく、顧客のロイヤルティも向上することが期待されます。

EXを向上させる活動のROIを実証する方法の詳細については、下記のベスト・プラクティス・ガイドをダウンロードしてください。顧客を重視する組織がEX(従業員経験)の向上を優先課題とする理由

加藤 順一 社長/マネージング ディレクター

CX(カスタマー・エクスペリエンス、顧客体験): 購入する過程・使用する過程等における、顧客視点での一連の体験

EX(エンプロイー・エクスペリエンス、従業員経験): 組織での経験、満足度、スキル、健康状態など、従業員が組織内で行われる経営活動や人事施策などを通して醸成する経験価値